片野晃輔 / Kosuke Katano
プロフィール
分子生物学・生態学・自然資本・ランドスケープを横断して活動する研究者。研究開発や科学アドバイザリー、教育プログラムの設計に携わるとともに、生態系構築ユニットVeigの共同設立者として、庭やランドスケープの設計・実装に取り組む。
企業、大学、行政、設計・運営の現場と協働し、専門的な知見を、それぞれの課題に応じた判断や実践につなげている。
略歴 / Career & Affiliations
2017–2019:MIT Media Lab Synthetic Neurobiology Group, Research Affiliate
Expansion Microscopyを応用したゲノム構造・配列のイメージングをはじめ、分子・細胞レベルの解析手法の開発に従事。
2018:Mercari R4D, Advisor
ライフサイエンス領域の新規事業立ち上げに際し、領域サーベイ、バイオラボ設計、導入機材の選定を支援。
2018–2019:Broad Institute Fei Chen Lab, Visiting Student
ゲノム配列、エピゲノム情報、細胞・組織内の空間構造を対象とした解析手法の開発に従事。
2019–2020:MIT Media Lab Community Biotechnology Group, Research Affiliate
低コストで自作可能な実験機器・手法の開発に従事。DIYバイオ、オープンサイエンス、在野研究者のコミュニティ形成にも取り組む。
2019–2020:Sony Computer Science Laboratories, Research Assistant
Synecoculture Groupにて、拡張生態系、協生農法、生態系評価、フィールドで利用可能な解析手法に関する研究開発に従事。
2020–2021:一般社団法人シネコカルチャー, Researcher
拡張生態系の社会実装、都市生態系評価、教育コンテンツの開発、コンソーシアム設立支援に従事。特許創出4件に携わる。
2021–:個人事業主 / Sole Proprietor
生物学・生態学・自然資本を専門に、研究開発、リサーチ、科学監修、アドバイザリー、教育設計、環境配慮型事業や空間の実装支援に取り組む。
2021–:Veig, Co-founder
造園家の西尾耀輔氏と、生態系構築ユニットVeigを共同設立。庭、ランドスケープ、展示、都市空間を対象に、生態学的知見に基づく調査・設計・実装・運用に携わる。
事業内容
研究開発・科学監修
現場や事業上の課題を検証可能な問いへと整理し、研究計画の立案、調査・実験、結果の解釈、技術や手法の開発を支援する。科学監修では、企画や技術、説明内容の根拠と妥当性を検証し、判断できる範囲と追加検証が必要な課題を明らかにする。
具体的な事業例
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生態系シミュレーター「namaph」:生態系モデルの構想、可視化方針、評価・対話の枠組みの整理|詳細を見る
国土交通省 Project PLATEAU、および Panoramatiks(株式会社アブストラクトエンジン)とのcityGML ハッカソンを契機に、都市開発や環境整備における生態系への影響や将来的な変化を可視化し、複数のステークホルダーによる合意形成を支援する生態系シミュレーター「namaph」を、データサイエンティストの竹田聖氏とともに構想した。
本構想はその後、令和3年度(2021年度)文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業に採択され、3D都市モデルや都市空間情報をもとに、生物多様性の変化、生態系の伝播、環境条件の時間的変化を可視化するシミュレーション/計画支援環境として発展した。片野は、生物学・生態学の観点から、初期構想の立案、モデル化された現象の整理、生態系シミュレーションのモデル構想、可視化方針の検討、ならびに合意形成を支える評価・対話フレームの整理を担当した。
Utopia Agriculture:環境再生型農業の研究計画・監修、北海道大学との共同研究に向けた整理・助言|詳細を見る
札幌市内の森林を対象に、放牧・養鶏・植栽・森林再生を個別の要素としてではなく、生産活動と生態系循環を接続する一体的なランドスケープとして整理した。ランドスケープ設計、研究計画、監修を通じて、動物の行動、植生、土壌、生産活動が相互に影響し合う環境を構想し、モデルファームとして継続的に観察・検証できる基盤づくりに関与した。
北海道大学大学院農学研究院の内田義崇氏と同社による共同研究の計画に際しても、事業と研究を接続するための整理や助言を行い、環境再生型の農業事業としての展開を支援した。
自然資本評価・事業構想
自然資本や生態系サービスに関する評価軸・指標を整理し、事業計画や現場の運用に組み込む。環境負荷低減型プロダクト、地域資源の活用、グリーンファイナンスなどの構想に対し、前提条件の調査から実装方針の検討までを支援する。
具体的な事業例
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青葉組株式会社:森林生態系サービスの評価指標・フレームワークの設計支援|詳細を見る
クライアントが保有する再造林モデルを前提に、生態系サービスを多面的に発揮する森づくりの構想を行うための指標設計を支援した。あわせて、カーボンニュートラルやTNFD関連事業の一環として造林委託を行うスポンサーや関係事業者に対し、森林の価値を説明可能なフレームワークを整理し、森林計画時に根拠や適切なリファレンスを参照しながら設計できるよう、評価の考え方、成果物、進め方を設計した。
P社:生活者の行動変容を起点とした脱炭素事業の価値整理・構想支援|詳細を見る
脱炭素分野における生活者の行動変容を起点とした施策・事業構想に向け、サプライチェーン全体でのカーボンニュートラルを達成するためのカーボンクレジットを含む制度設計や国内外の動向を整理し、異なるステークホルダーに価値を伝えるための論点設計を行った。
アウトプットとしては、炭素を単なる排出量削減施策としてではなく、生活者の行動変容、住宅領域の設計、土地利用、サプライチェーン全体の価値設計を接続するテーマなどをまとめたレポートと方針策定の支援を行った。
教育・研修
対象者の役割や経験に応じて、講義、教材、ワークショップ、実習を設計する。企業・実務者向けには業務上の判断と実践に必要な知識を、学生向けには問いの設定から分析・発表までの研究過程を、児童向けには観察を通じて気づき、確かめる体験を重視する。
具体的な事業例
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青葉組株式会社:造林事業における自然資本人材育成プログラムの設計・開発|詳細を見る
自然資本を扱う現場人材の育成に向け、森林の持つ価値を多面的に捉える視点を前提に、実務で求められる業務スキル、専門知識、マインド、スタンスを整理した。さらに、到達レベルごとの人材像を設計し、講義と実習を組み合わせた研修体系の設計・開発を行った。
稲盛財団「キヅキランド」:子ども向け観察ワークショップの設計・実施|詳細を見る
稲盛財団の児童向け学習プログラム「キヅキランド」において、ゲームさんぽを主宰するなむさんとの協働により、子どもたちが観察を通じて発見し、それを言語化・共有するプロセスに焦点を当てたワークショップを設計・実施した。
生物学やフィールドワークにおける観察の視点と、対話型の鑑賞・実況の方法を組み合わせ、「正解を当てる」学習ではなく、自分なりの気づきを出発点に、他者の見方も補助線としながら発見を深めていく場をつくった。
展示・ランドスケープ
生物と環境の関係を踏まえ、展示、植栽、庭、ランドスケープの構想・設計・監修に携わる。Veigや建築・意匠・施工の専門家との協業を通じ、敷地の調査から実装、施工後の観察・評価、管理方針の検討まで、案件に応じて関わる。
具体的な事業例
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Utopia Agriculture:放牧・養鶏・植栽・森林再生をつなぐランドスケープの設計・監修|詳細を見る
札幌市内の森林を対象に、放牧・養鶏・植栽・森林再生を個別の要素としてではなく、生産活動と生態系循環を接続する一体的なランドスケープとして整理した。鶏舎内の実験的な植栽では、ニワトリの原種であるセキショクヤケイの生息環境に見られる林内構造を参照しつつ、家畜化により行動特性が異なる点にも留意して設計を行った。
施設周辺の法面等では、周辺環境に自生する根系の発達した植物を組み合わせ、土留めや植生回復に寄与する植栽構成を検討した。本プロジェクトは、DOMINO ARCHITECTSによる建築とともに、イタリアの国際建築誌『CASABELLA』947–948号に掲載された。
執筆・編集・翻訳
生命科学、生態学、自然資本に関する知見を、書籍、雑誌、Web媒体、展示解説などに展開する。学術的な背景と表現の正確さを踏まえ、読者や媒体の目的に応じて内容を構成する。
具体的な事業例
- 『バイオビルダー ― 合成生物学をはじめよう』:書籍翻訳(O’Reilly Japan、2018年)
- DG Lab Haus、日経バイオテク「バイオハッカーと呼ばれて」:連載
- WIRED Japan Vol.40『FOOD: re-generative』、Vol.45『AS A TOOL』:寄稿
- POPEYE特別編集『Hello, Tokyo!』:東京の庭案内特集掲載・英語版翻訳協力(2025年)
事例紹介
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事例:都市開発・環境整備における生態系シミュレーションと合意形成システムの開発:構想・開発|国土交通省ら/ 文化庁
国土交通省 Project PLATEAU、および Panoramatiks(株式会社アブストラクトエンジン)とのcityGML ハッカソンを契機に、都市開発や環境整備における生態系への影響や将来的な変化を可視化し、複数のステークホルダーによる合意形成を支援する生態系シミュレーター「namaph」を、データサイエンティストの竹田聖氏とともに構想した。
本構想はその後、令和3年度(2021年度)文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業に採択され、MIT Media Lab City Science Group の酒井康史氏らも加わり、3D都市モデルや都市空間情報をもとに、生物多様性の変化、生態系の伝播、環境条件の時間的変化を可視化するシミュレーション/計画支援環境として発展した。
背景には、スマートシティ政策、自然資本評価、カーボンクレジット市場などが広がる一方で、都市や環境に関する意思決定が、十分な合意形成や価値評価の透明性を伴わないまま進みうるという課題意識があった。namaphでは、生態系シミュレーションに加え、意思決定の履歴を蓄積し、関係者が判断過程を振り返りながら反省/学習し、次の意思決定へ接続していく運用プロセスが扱われている。
竹田氏は、ビジュアライザー、物理シミュレーター、リアルタイム介入機能など、namaph の主要な技術基盤の設計・実装、および MIT Media Lab City Science Group の既存プロダクトを踏まえた大幅なリファクタリングを担った。片野は、生物学・生態学の観点から、初期構想の立案、モデル化された現象の整理、生態系シミュレーションのモデル構想、可視化方針の検討、ならびに合意形成を支える評価・対話フレームの整理を担当した。
現在は一旦区切りを迎えているものの、適切な機会、資金、協業体制が整い、関係メンバー間の合意がなされる場合には、再始動や共同開発、または同様の課題意識に基づく新規プロジェクトとして展開する余地がある。
発表記事:https://www.media.mit.edu/projects/namaph/overview/

namaphの画面(元PDF掲載画像)。
事例:森林生態系サービス評価:評価指標設計の支援|青葉組株式会社
クライアントが保有する再造林モデルを前提に、生態系サービスを多面的に発揮する森づくりの構想を行うための指標設計を支援した。あわせて、カーボンニュートラルやTNFD関連事業の一環として造林委託を行うスポンサーや関係事業者に対し、森林の価値を説明可能なフレームワークを整理し、森林計画時に根拠や適切なリファレンスを参照しながら設計できるよう、評価の考え方、成果物、進め方を設計した。
事例:生活者の行動変容を起点とした脱炭素事業:価値整理・構想支援|P社
脱炭素分野における生活者の行動変容を起点とした施策・事業構想に向け、サプライチェーン全体でのカーボンニュートラルを達成するためのカーボンクレジットを含む制度設計や国内外の動向を整理し、異なるステークホルダーに価値を伝えるための論点設計を行った。加えて、住宅領域での行動変容や、空間設計・土地利用と接続しうる評価の考え方まで含め、構想立案の前提となる情報整理と視点設計を支援した。
アウトプットとしては、炭素を単なる排出量削減施策としてではなく、生活者の行動変容、住宅領域の設計、土地利用、サプライチェーン全体の価値設計を接続するテーマなどをまとめたレポートと方針策定の支援。カーボンクレジットや国内外制度の動向を踏まえながら、異なるステークホルダーに対して個々の役割や関わり方によってどのような価値が創出、提示されうるかを検討し、事業構想の初期段階で参照可能な論点、評価軸などを議論した。また、グリーンウォッシュになるリスクを把握するため、データの統計的な扱い方を整理した。これらを通じて、環境配慮を抽象的な理念に留めず、生活者・事業者・土地・空間の関係性を含めた実装可能な検討領域として扱うための基盤情報作成を支援した。
事例:造林事業における自然資本人材育成:研修プログラムの設計|青葉組株式会社
自然資本を扱う現場人材の育成に向け、森林の持つ価値を多面的に捉える視点を前提に、実務で求められる業務スキル、専門知識、マインド、スタンスを整理した。さらに、到達レベルごとの人材像を設計し、講義と実習を組み合わせた研修体系の設計・開発を行った。
青葉組:森林生態系サービス評価・自然資本人材育成の2事例について
青葉組の森林生態系サービス評価と人材育成の2事例におけるアウトプットは、同社からのフィードバックも踏まえると、自然資本を扱う新規案件の獲得や事業化を見据え、森林生態系サービスの整理や人材育成プログラムの設計を通じて、学術的知見を実務上の判断材料へ変換する支援であった。その成果は、現場自らが調査・検証・データ蓄積の方法を設計する体制づくりへと発展しており、青葉組は林業領域に留まらず、企業コンソーシアム、行政、学術機関等との協業を通じて、これからの造林・自然資本管理を先導する挑戦的なプロジェクトを継続的に獲得している。複雑で難易度の高い課題に対し、複数の専門家が誠実に協業しながら実装へ向けて前進していく、非常に有意義で可能性を感じるプロジェクトであった。
事例:子ども向け観察学習プログラム:ワークショップ設計・実施|稲盛財団 キヅキランド
稲盛財団の児童向け学習プログラム「キヅキランド」において、ゲームさんぽを主宰するなむさんとの協働により、子どもたちが観察を通じて発見し、それを言語化・共有するプロセスに焦点を当てたワークショップを設計・実施した。
生物学やフィールドワークにおける観察の視点と、なむさんが実践してきた対話型の鑑賞・実況の方法を組み合わせ、見る体勢を変える、境界線や形状をなぞる、誤読をきっかけに新たな解釈を広げるといった方法を導入した。これにより、「正解を当てる」学習ではなく、自分なりの気づきを出発点に、他者の見方も補助線としながら発見を深めていく場をつくった。
企画終了後も、子どもたちが自主的に観察や書き込みを継続しているというフィードバックがあり、参加者が熱中して取り組む様子から、遊びや発見の延長線上に学びや研究的な態度が生まれる可能性を実感する機会となった。
企画ページ:https://kizuki.land/portal
インタビュー:https://note.com/kizukiland/n/n80cd714ab1f3
事例:環境再生型ランドスケープ&農業:設計・研究計画・監修|Utopia Agriculture
札幌市内の森林を対象に、放牧・養鶏・植栽・森林再生を個別の要素としてではなく、生産活動と生態系循環を接続する一体的なランドスケープとして整理した。ランドスケープ設計、研究計画、監修を通じて、動物の行動、植生、土壌、生産活動が相互に影響し合う環境を構想し、モデルファームとして継続的に観察・検証できる基盤づくりに関与した。
鶏舎内の実験的な植栽では、ニワトリ Gallus gallus domesticus の原種であるセキショクヤケイGallus gallus の生息環境に見られる林内構造を参照しつつ、家畜化により行動特性が異なる点にも留意して設計を行った。施設周辺の法面等では、周辺環境に自生する根系の発達した植物を組み合わせ、土留めや植生回復に寄与する植栽構成を検討した。
また、放牧地の計画に際しては、成牛による採食圧や生物多様性への影響を扱った既往研究を参照し、面積あたりの推奨飼育頭数や環境負荷の考え方について事業計画時の助言を行った。北海道大学大学院農学研究院の内田義崇氏と同社による共同研究の計画に際しても、事業と研究を接続するための整理や助言を行い、環境再生型の農業事業としての展開を支援した。
加えて、同社メディア「GRAZE GATHERING」および購入者向けブックレットへの寄稿を通じて、プロジェクトの背景にある生態系循環や環境再生型農業の考え方を、一般の読者や顧客にも伝わる形で言語化した。
本プロジェクトは、DOMINO ARCHITECTSによる建築とともに、イタリアの国際建築誌『CASABELLA』947–948号に掲載された。1928年創刊の同誌において、北海道の森林を舞台とした盤渓ファームの取り組みが、建築・ランドスケープ・生態系再生を横断する実践事例の一つとして紹介された。本件をきっかけに、複数の専門家と協業しながら、クライアントの事業目標や関心、敷地条件、研究的視点を統合し、多面的にプロジェクトを構想・支援する依頼が増える機会となった。

プロジェクト紹介画像(元PDF掲載画像)。
執筆・編集・翻訳
生命科学、生態学、自然資本に関する専門的な論点を、書籍翻訳、連載、寄稿、編集協力を通じて発信する。学術的背景を踏まえながら、研究や制度、設計実務に関わる知見を、媒体や読者に応じて再構成し、一般読者や異分野の実務者にも届く言葉へ翻訳するよう心がけている。主な実績として、訳書『バイオビルダー ― 合成生物学をはじめよう』、DG Lab Haus連載、日経バイオテク連載「バイオハッカーと呼ばれて」、YCAM関連寄稿、WIRED Japan寄稿などがある。
コンサルティング
上記の事例で示したように、対象領域は森林、都市、農業、教育、展示、研究開発など多岐にわたる。
生物学、生態学、自然資本、研究開発に関する専門知見を基盤に、一次産業事業者、建築・不動産・都市開発事業者、環境・サステナビリティ関連事業者、研究機関・スタートアップ、文化施設・教育機関、大規模プロジェクトの運営主体など、異なるスケールおよび業態の専門家や実務者との協働を通じて、事業構想から実装までを支援している。関与の形は、企画初期の論点整理から監修、サーベイ、業務委託、長期的な伴走支援まで、プロジェクトの段階や状況に応じて設計する。
主な取引先
環境省/国土交通省/日本科学未来館/富士フイルム株式会社/株式会社日本デザインセンター/株式会社ユートピアアグリカルチャー/株式会社ノメナ/株式会社ワンダーウォール/青葉組株式会社/株式会社ジャクエツ/パナソニック ホールディングス株式会社/合同会社Condé Nast Japan/東京建物株式会社/株式会社竹中工務店/TOPPAN株式会社/国立大学法人 富山大学/東京大学 The Center for Real Estate Innovation(CREI)/学校法人瓜生山学園 京都芸術大学/株式会社良品計画/公益財団法人山口市文化振興財団/山口市立山口情報芸術センター (YCAM)/ローカルツーリズム株式会社/株式会社ADX/ワウ株式会社/株式会社ゴールドウィン
連絡先
研究開発、科学監修、自然資本、教育、ランドスケープ等に関するご相談はこちらからお問い合わせください。
主な実績・活動歴 / Recognition & Professional Activities
受賞・採択 / Awards & Grants
- 2012:木原記念こども科学賞 優秀賞
- 2015:Google Science Jam 2015 日本科学未来館賞(公式受賞発表)
- 2018:Forbes Japan 30 Under 30, Healthcare & Science(受賞者紹介)
- 2018:公益財団法人孫正義育英財団(2018–2022年度 支援対象)
- 2020:Business Insider Japan「BEYOND MILLENNIALS」(公式発表)
- 2021:文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業 採択『namaph』(採択発表)
- 2023:Forbes JAPAN Culture-Preneur 30(受賞者一覧)
- 2024:第10回 World OMOSIROI Award(受賞発表)
寄稿・執筆 / Writings & Publications
2017:DG Lab Haus 連載(寄稿記事)
2018:『バイオハッカーと呼ばれて』日経バイオテク連載
2018:『バイオビルダー ―合成生物学をはじめよう』訳書, O’Reilly Japan(書籍紹介)
2019:contact Gonzo + YCAM『バイオ・リサーチ 1–3号』寄稿(関連プロジェクト)
2021:WIRED Japan Vol.40『FOOD: re-generative』寄稿(掲載号)
2021:世田谷区生活工房 アニュアルレポート2021 特集ページ執筆(刊行案内)
2022:WIRED Japan Vol.45『AS A TOOL』寄稿(掲載記事)
2022:無印良品キャンプ場 フリーペーパー&Web「外あそび 2022 冬号」寄稿
2022:世田谷区生活工房 25周年アニュアルレポート「生活と記録の問答集」寄稿(刊行案内)
2022:雑誌『味の手帖』2022年11月号 インタビュー掲載(バックナンバー)
2022:VISIONARY FES VOL.2 都市の微生物多様性を“拡張”するビジョン 集英社(書籍一覧)
2025:CUT A LOG - VOU/棒 10th anniversary book -「棒談 2015–2025」寄稿(刊行記事)
2025:菅原凪紗,大石善隆,片野晃輔,内田義崇「都市環境におけるコケのバイオマス,分布要因,種ごとの分布特性」『蘚苔類研究』13巻5号(DOI: 10.24474/bryologicalresearch.13.5_83)
2025:POPEYE特別編集『Hello, Tokyo! A Guide for Exploring Japan’s Capital City(English Version)』東京の庭案内特集掲載 / 英語版翻訳協力 マガジンハウス(英語版紹介)
特許・知財
日本登録特許:特許第7768230号(発明者)(特許公報)
PCT国際公開:WO2023068063A1(発明者)(公開公報)
PCT国際公開:WO2023095624A1(発明者)(公開公報)
登壇・講師・発表 / Talks & Lectures
- 2014:TEDxKids@chiyoda2014(公式プログラム)
- 2019:YCAMオープンラボ2019「ナマモノのあつかいかた」登壇(開催概要)
- 2020:「オンライン時代のアカデミアとは何か?」パネル登壇(開催レポート)
- 2020:NEC未来創造会議 2020年度第1回有識者会議(会議レポート)
- 2021:稲盛財団「キヅキランド」講師(ワークショップレポート)
- 2021:dip株式会社 白熱教室 講演
- 2021:物学研究会「生物学研究の民主化」講演(講演一覧)
- 2022:第4回 森林・木材みらい価値共創研究会セミナー 登壇(開催レポート)
- 2022:京都芸術大学 ソーシャルデザイン論 講師(講義レポート)
- 2022:日本科学未来館 トークセッション「VISIONARY FES VOL.2」登壇(開催概要)
- 2022:日本科学振興協会(JAAS)第1回総会・キックオフミーティング パネルディスカッション「日本の科学をもっと元気に:誰もが科学する社会を創ろう!」登壇(公式プログラム)
- 2024:日本生態学会「都市の微小な物理環境の違いはコケの分布に影響を与えるか?:札幌におけるケース」発表 北海道大学との共同研究(講演要旨)
- 2024:RegenerAction Japan 2024「文化遺産の進化と未来への継承」登壇(開催レポート)
- 2025:竹中工務店「たてものめがねまちめがね展」内「みどりを覗く、虫の視点で見てみる」ワークショップ・講演(公式イベントページ)
- 2025:一般社団法人ASIBA「生き物の視点で考える都市デザイン入門 #2」講演 ワークショップ(開催レポート)
- 2025:RegenerAction Japan 2025「文化起業家が描くリジェネラティブな社会設計」登壇(開催レポート)
その他 / Others
- 2020:Quartz Japan Podcast「Quartz×Quartz」#08 出演(配信ページ)
- 2021:academist prize 審査員
- 2023:雑談『広告』「大野友資/片野晃輔/香田悠真:散歩」出演(配信ページ)
- 2024:MVMNT “EMBRYO”:ミツバチ好みの庭がつくる都市の生態系 前後編 / 世界のカルトカルチャーレポート vol.2 出演
- 2025:デジタルと教育の庭:「veig - デジタルは「育てられる」か。庭と寛容性について」(監修:京都芸術大学デジタルキャンパス局)出演(番組ページ)
- 2026:NHK Eテレ『デザインあneo』「デザインの人」出演(Veig)
- 2026:Goldwin Field Research Lab「連想の練習 #04」ゲスト(掲載記事)
Further Reading
Trajectory:研究から生態系・ランドスケープへ
高校在学中、家族のがん発症を契機に、DNAの塩基配列を変えずに遺伝子の働きを調節するエピゲノム制御、とりわけDNAメチル化の研究を始めた。独学で研究を進めるなかで、生命現象そのものに加え、専門知や研究インフラへのアクセスにも関心を持つようになった。この関心から、身近な機器や材料を用いて生物学を実践するDIYバイオや、食用細胞培養を扱う市民科学プロジェクト、バイオラボの設営にも取り組んだ。
高校卒業後はMIT Media LabおよびBroad Instituteで、ゲノムやエピゲノムの解析手法、顕微鏡技術、市民科学、オープンサイエンスに関する研究に従事した。分子・細胞スケールの複雑な生命現象を扱う一方、企業や協業パートナーとの連携を通じ、研究計画、資金計画、組織体制など、研究をプロジェクトや事業へ展開するための実務を学んだ。
基礎研究と社会実装の双方に関わるなかで、科学者には、複雑さや不確実性を過度に単純化せず、知見を社会の判断や実践へつなぐ役割もあると認識した。関心の対象も、分子・細胞から、生物と環境が相互作用する生態系へ、さらにその状態や機能を政策・事業の意思決定に反映する自然資本の領域へと広がった。
帰国後はSony CSLの舩橋研究室で、砂漠再生や都市生態系評価などの研究開発に従事した。研究成果を政策や事業構想、現場での実装へつなぐ方法を模索するなかで、科学的知見を具体的な設計・施工・運用に反映する過程には、実務上の隔たりがあることを認識した。
この隔たりに取り組むため、造園家の西尾耀輔氏とVeigを共同設立。庭やランドスケープを、自然と人為を切り分けず、生物と環境の関係、人の好みや目的、土地利用、経済的条件など、多様な要素と価値観が重なり合う緩衝地帯と捉えている。その場所に成立しうる生態学的な関係を空間として構成し、施工後も変化を観察・評価しながら、設計や管理の前提を検証・更新している。
現在、これらの活動を通じて重視しているのは、後続の取り組みのモデルとなる社会実装に挑戦し、現場で生じた問いや発見を、研究の発展、事業や設計の改善、新たな実践につなげることである。得られた知見を他者が参照・発展させられる形で蓄積・共有し、学術と社会実装の双方に、次の取り組みの土台が積み重なる関係をつくることを目指している。
Approach:相談から実装までの進め方
プロジェクトの目的や課題を伺い、何を明らかにし、どの判断や実践につなげるのかを整理する。そのうえで、既存の知見を調べて判断できることと、新たに検証する必要があることを見極め、適切な方法と成果物を設計する。
サーベイは、既存の知見や現状を調べ、判断に必要な情報と論点を整理するために行う。論文や公的資料、地域資料、現地調査、関係者へのヒアリングなどを組み合わせ、何が分かっていて、何が不確かなのかを把握する。技術の科学的根拠を確認したい、事業や設計に活かせる方法を比較したい、研究を始める前に先行事例や課題を把握したい、といった相談に対応する。
研究開発では、既存の知見を踏まえて問いを設定し、観察・実験・解析などを通じて、新たな知見や理解を得ることを目指す。開発する技術や手法の効果を検証したい、現場で生じている現象の要因を明らかにしたい、といった課題に対し、研究計画の立案から調査・実験、結果の解釈までを支援する。
サーベイは研究の問いや方法を定める基盤にもなり、調査を通じて新たな検証の必要性が見えてくる場合もある。相談時点で研究とサーベイのどちらが必要か明確でなくても、目的、予算、期間に応じて、取り組む範囲と進め方をともに検討する。
必要に応じて外部の専門家や関係機関と連携し、得られた知見を、判断基準、評価指標、研究計画、設計方針、教材など、関係者が共有し、実際に使える形へまとめる。案件に応じて実装後も継続的に関わり、観察・評価をもとに計画や管理方針を更新するとともに、クライアント自身が扱える運用手順やマニュアルの整備まで支援する。